「XRテレプレゼンスミーティング」
~“現実の会議以上の価値”を創出する遠隔会議システム~

「XRテレプレ」は、XR技術を活用した遠隔会議システムです。離れた場所にいる人同士が“アバター”として仮想のミーティングルームに集まり、その場にいるような感覚で会議ができる仕組みで、PC画面等を通じたオンラインミーティングシステムとは全く異なります。「XRテレプレ」の開発秘話を、開発担当者である移動機開発部 大山晃平が語ります。

移動機開発部 大山晃平

XR技術で“アバター”が仮想のミーティングルームに集まる

――「XRテレプレ」が、従来のオンライン会議システムに比べて最も優れている点、特長となる点をお聞かせください。

本システムで特に画期的なのが、スマホで撮影した画像1枚から、本人そっくりなアバターを作成できる点です。会議というビジネスの場である以上、簡易なアニメーション製のアバターは相応しくありません。ビジネスユースだからこそ、ユーザー本人により近い形で仮想空間に登場する必要があるのです。
これまでアバターを作成するには、3D撮影を行うための専用ブースなどに人物が入り、様々な角度からスキャンした画像を取得しなければならず、かなり手間がかかりました。XRテレプレのアバターは、1枚の画像から得られる情報を最大限に拡張させ、必要な部分を補完させて作成されます。本人画像は顔部分のみに限られますが、胴体部分は好みのファッションを選ぶことができ、画面上でも“らしさ”を協調できます。
このようにして作成されたアバターは、参加者が発話する音声はもちろんのこと、身振り手振りまで同期することができ、臨場感あふれる会議が可能になります。

参加者に一体感・連帯感をもたらし、場を和ませる効果が

――アバターが「XRテレプレ」の最大の特長とのことですが、アバターの使用にはどのような利点があるのでしょうか。

従来のオンラインミーティングシステムは、PC等の2次元画面上での応答に限られており、表面的なやり取りに終始し、一体感に欠けるという弱点があります。また多くのユーザーはカメラをオフにしたまま参加することが常態化し、相手の顔が見えないまま会議が進行するという場面もしばしば見られます。
その一方XRテレプレでは、1つの3D空間内に集まって会議ができるため、参加者に一体感が生まれやすく、場が和やかになるという特長があります。XRテレプレ開発中に社内でデモンストレーションを行ったところ、まず画面に参加者のアバターが出現するタイミングで、ドッと笑いが。やはり毎日のように顔を合わせる仕事仲間が、アバター姿で現れるというのは、それだけで面白いものです。
その後VR空間に慣れるまでは、手探り状態でコミュニケーションを取っていったのですが、互いに手を差し出し合って“握手”の疑似体験をすることによって、一気に連帯感が生まれたのはとても印象に残っています。バーチャル空間においても、“触れ合う”“肌を合わせる”という行為によって、こんなにも心が通い合うのだと再認識させられました。

VRのみならずMRデバイス「Magic Leap」にも対応可能

――「XRテレプレ」の開発中、苦労した点や成功談等があればお聞かせください。

最も困難だったのは、やはりアバター作成に関する部分です。当初は「本人と寸分違わないアバターを作る」という点に主眼を置いていたため、高精彩にこだわり過ぎてデータサイズが大きくなり、アプリ内で表示されないという不具合が起こってしまいました。そこで、アバター作成のプログラミングを一から見直し、顔部分は高解像度に、服等は多少画像が粗くとも良しとし、部位ごとに分けて作成するように工夫しました。
一方、XRテレプレの最初のリリース時は、VRデバイスのみに対応したシステムでしたが、その後MRデバイスである「Magic Leap」でも使えるようになったのは、大きな成功ポイントでした。VRとMRでは利用対象となるユーザーが異なり、それぞれに得意分野があります。今後、VRとMRの進むべき道はますます別れていくと想像されますので、様々なデバイスで利用できることは、XRテレプレならではの強みになるはずです。

利用できる機能を拡張し、新時代のビジネスインフラに

――「XRテレプレ」の今後の展望についてお聞かせください。

XRテレプレでは、会話のやり取り以外にも、WebExを通じて資料やレーザーポインタの共有もでき、現実の会議と同じように様々なツールを便利にお使いいただけます。今後は、発話者の音声を認識して議事録を自動入力・表示させる機能や、3Dオブジェクトの共有、ホワイトボードなどの機能を随時追加し、会議をより快適にするための機能拡張計画が進んでいます。
2020年のコロナ禍で、オンラインミーティングシステムの普及が一気に拡大しましたが、当社ではコロナ前からすでにリモート会議の可能性に着目し、XRテレプレの開発に尽力してきました。ビジネスとしてはコロナが多少の追い風となったことは事実ですが、あくまでも一過性のものではなく、“現実の会議以上の価値”を創出できる新時代のビジネスインフラとして長くご愛用頂けるよう、これからも改善・改良に努めてまいります。

“同じ空間で話し合う感覚”
「XRテレプレゼンスミーティング」