「MRミュージアム」
~新感覚の展示体験ができるアプリ~

「MRミュージアム」は、MRならではの空間認識技術や、ハンドジェスチャ―によるオブジェクト操作を用いて、展示コンテンツをユーザーに体験してもらえるデモアプリケーションです。「MRミュージアム」の開発秘話を、開発担当者である移動機開発部 門田智明が語ります。

移動機開発部 門田智明

MRの空間認識技術やオブジェクト操作で、リアルな展示体験を実現

――「MRミュージアム」でどんな体験ができるのか、分かりやすく教えてください。

デモアプリ「MRミュージアム」において、現段階でリリースされているものは、「歴史」「海洋」「天体」の3つのテーマです。「歴史」では、アプリ内に出現する武士を刀剣で切ることで、戦国時代の人物や出来事に関するガイダンスがMR空間に登場。「海洋」では、巨大なサメが壁を突き破ってくる映像と共に、サメの生体について学ぶことができます。「天体」では、仮想オブジェクトである球体に手をかざすと太陽系が空間に浮かび上がり、3D空間の中で惑星の学習ができます。
いずれも会議室くらいのスペースがあれば誰でも体験が可能で、実際に博物館を訪れるのとは一味違う、最新型の展示手法となります。これまでに何度かイベント等で実際にお客さまに体験していただきましたが、反応は上々で、十分な手ごたえを感じております。

営業ツールとしてMRコンテンツアプリ開発が求められる

――「MRミュージアム」の開発に至った経緯をお聞かせください。

本アプリの開発に至った経緯は、まず社内のサービス主管部門から、「MRコンテンツ用の新しい営業商材を作って欲しい」と所望されたことがきっかけとなりました。開発当初はまだ十分なMRコンテンツが揃っていない時期で、当社にとっても“MR黎明期”といったところでした。VR、AR、MRなどのXR技術は、今後ますます社会に必要とされると予想され、強力な営業ツールとなるMRコンテンツアプリ開発が早急に求められていたのです。
開発に当たり、サービス主管部門と各法人のお客さまの当時の調整状況を踏まえ、ミュージアム系では「歴史」「海洋」「天体」のコンテンツニーズが高いことが分かりました。そこで、この3つのテーマに絞ってデモアプリ開発を進めることとなったのです。

二次元と三次元の違いを痛感。イメージ共有に難航した

――「MRミュージアム」の開発中、最も困難だったことは何ですか?

実際のデモアプリ開発は、私どもの部署と開発ベンダーとの共同作業によって行われましたが、当時はMRコンテンツ開発のノウハウが十分になかったため、一筋縄ではいきませんでした。従来のスマホアプリは平たい画面上で動く二次元の世界で、まさにドコモが得意とする開発分野ですが、何せ今回対象となるのは三次元です。平面と3Dコンテンツではまったく異なったアプローチが必要となり、思っていた以上に難航したというのが正直なところです。
具体的には、海洋コンテンツで「サメが飛び出してきた後、ユーザーの足元でランダムに泳ぎ回る」というシナリオを用意していたのですが、その行動イメージが当社と開発ベンダーの間で大きく乖離していたのです。一口に「ランダム」「泳ぎ回る」といっても、個々人が考える脳内イメージは千差万別。「ランダム」とは何秒以内に何往復することを想定しているのか、泳ぎ回るのはトータルで何秒間くらいなのか、そこまで細かく指示を出さなければ、正しいイメージの共有はできません。こちらが思っている内容がうまく伝わらず、もどかしさと同時にMR開発の難しさに直面しました。

新しいアイデアが続々。営業ツールとしてさらに活用して商用アプリ開発へ繋げたい

――そのような困難から得られたものについて、また「MRミュージアム」の今後の展望をお聞かせください。

開発ベンダーとのコミュニケーションの難しさを改めて知ったことで、今後MRコンテンツを作成する際は、サンプル動画等を用いて“3Dでイメージを伝える”ことが大切だと感じています。3Dのものを作るには、材料も3Dで用意するのが一番。「何となく」のふわっとしたイメージしか伝えられなければ、良いコンテンツは到底生み出せません。細部にとことんこだわりつつ、ドコモらしい高品質のコンテンツを順次追加して、MRミュージアムをさらに充実させていきたいです。
MRミュージアムは無限の可能性を秘めており、3D空間内で宇宙船や潜水艦にリアルに乗っているような体験ができたり、恐竜の骨格標本にアプリをかざすと、生きて動いている姿が映像で見られたりといった、新しいアイデアが次々と浮かんできます。現段階ではデモバージョンのアプリですが、MRコンテンツアプリ開発のご要望をさらに獲得すべく本アプリを営業ツールとしてさらに活用して、いずれ商用ベースに乗せられるようなツールへと進化させるべく、日々開発に取り組んでまいります。

事例紹介

"新感覚の展示体験ができるアプリ" MRミュージアム